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合理性だけを追求しない株式投資の面白さ

株式会社Mutual 公式note

「あなたは何のために株式投資をやっているのですか?」と100人に聞くと、恐らく95人くらいは「儲けるため」と答えると思います。当然といえば当然で、儲からない投資なんて誰もやりたくないし、そんな投資を勧めるのは詐欺だと言われても仕方がありません。

ただ、私は個人的に、「儲けること、リターンを出すこと」だけが株式投資の醍醐味ではなく、合理性を追求しない楽しみ方もあると思っています。今日はそんな話を少ししてみたいと思います。

インデックス投資は確かに合理的

ここ数年、アクティブファンドよりも、パッシブファンドの方が圧倒的に人気を集めているのは多くの方がご存知かと思います。実際、パッシブファンドの比率は世界的に上昇の一途を辿っています。

出典:モーニングスター

パッシブファンドへの投資が人気を集めているのは、アクティブファンドはファンドマネジャーが投資先を厳選している一方で、パッシブファンドは特定の指数に連動する形で自動でポートフォリオが組まれており、後者の方が運用手数料が圧倒的に低く、リターンが出やすくなるからです。高い運用手数料を補ってあまりあるほどのアクティブファンドに投資しない限り、パッシブファンドに賭けた方が合理的だということですね。
実際、「アクティブファンドなんて選ぶのが面倒だから、S&P500を積み立てておけばよくね」と主張される方も世の中にはたくさんいると思います。

確かに、「合理的にリターンを出すこと」が目的である場合、インデックス投資は素晴らしい手段です。そのため、個人の資産運用目的でインデックス投資を選択することは全く否定がされようがない行動だし、寧ろみんなやった方がいいと自分も思います。

経済的リターンだけではない株式投資の楽しさとは

ただ、インデックス投資っていうのはコツコツと資産形成することが目的なのであって、爆発力はありません。なので、「株で資産10億円を築きたい!」と思う人は、インデックス投資だけでなく個別株投資も行う必要があります。
でも、資産があまりない状態から個別株投資だけで金持ちになるのって、もちろん簡単ではありません。巷では、株式投資を少額からスタートして億万長者になった人の本や動画で溢れていますが、実際それを見て本当に億万長者になれるのは一握りです。だから、短期間で億万長者になるために必要な、株価が跳ねそうな会社を見つけてそこにレバレッジをかけてフルベットするような投資やトレードは、万人がするべきではないと思います。

そんな話をすると、「やっぱり少額の資産しかない普通の人はインデックス投資でコツコツ積み立てるしかないのかぁ〜」と考える人が多いかもしれません。かくいう私も、少額で投資するよりも、入金力をつけるためにまずは自分に投資した方がリターンは高くなると思っています。まず稼げる自分になれということですね。
なので、合理的に考えると、大きな資産を持たない個人は、個別株投資なんて別にやらなくてもいいと思うのです。

しかし、それでも私は、自分のようなそこまで大きな資産を持たない普通の人がもっと個別株投資をやってほしいなと思っています。なぜなら、株式投資は、儲けること以外にも楽しさがあると思うからです。
それはどんな楽しさか。個人的に以下のような楽しさがあると思っています。

  1. 色んな会社のビジネスモデルや業界構造を学ぶ楽しさ

  2. 応援したい会社を見つける楽しさ

  3. 投資先の成長を見守る楽しさ

金融や投資の業界に近い人ほど「頭お花畑やん」と思うかもしれませんが、大真面目に言っています。

まず1つ目について。
よく、「株式投資をやると世の中のニュースに敏感になる」というじゃないですか。個人的に、FXとかの方がマクロなニュースには敏感になりやすい気がしていて、1社や2社に投資しただけで一気に世の中のニュースへ関心が生まれるかと言われると正直そういうわけではないと思います。ただ、それでも投資先や投資先の属する業界に関する関心度合いはかなり増すと思います。

「このビジネスモデルは秀逸だな!」という発見とか、「なんでこの会社だけこんな成長してるんだろう?」という疑問を起点として、色んなリサーチをしていくことって結構楽しいものです(もちろん、最低限のリサーチ方法を知っている必要はありますが)。

残りの2つも重要だと思っていて、「いい会社」を見つけて応援し、成長を見守ることの面白さも株式投資にはあると思います。例えば、キャンプ用品等の販売を行う「スノーピーク」という会社。この会社は、自社が事業を行う理由として「人間性の回復」を掲げており、デジタルで溢れている現代人に自然志向のライフバリューを提供することで、本来の人間らしさを取り戻してもらいたいという想いを持って経営されています。

https://www.mext.go.jp/sports/content/20210726-spt_stiiki-300000600_1.pdf

地域貢献にも力を入れており、製品のかなりの割合を国内で製造していたり、地方でのキャンプフィールドの運営等を積極的に手がけていたりします。
また、ユーザーと生産者が直接交流できる、地場産業の見学・体験ツアーを開催したりしていて、ユーザーからは「実際の工程を見れるのはすごく楽しい」という声が、生産者からは「最終的に作ったものを使っているお客さんの顔が見れるのは嬉しいし、仕事へのモチベーションも上がる」という声が上がっているそう。これをきっかけに、ユーザーがスノーピーク製品の製造会社に就職した事例もあるようです。

こういうのを見ていると、「うわ、めちゃくちゃいい会社やな!」と思ったりするわけです。そんな会社に応援する気持ちで投資をすることで、なんとなく投資先の社会を良くしていく活動に自分も少しだけ一緒に参加しているような気分になったりもします。そして、もしうまくその会社が成長して株価も上がっていけば、経済的なリターンだけではない喜びがあるはずです。

株式投資を通じてこのような楽しさを追求しようと思ったら、必ずしもIR情報等を駆使しながら財務モデルを組み、精緻にバリュエーションを弾き出す必要はありません。「この会社のビジネスモデルが面白いと思ったから」とか、「なんかこの会社めっちゃ応援したいから」といった動機だけでもできます。つまり、合理性だけを追求しなくとも、株式投資を楽しむことはできるということです。

非合理な行為の中に面白さがある

非合理な行為の中に面白さがある、なんてことは世の中沢山ありますよね。逆に言うと、合理性だけを追い求める人生が本当に楽しいのかと言われると、そうじゃないような気がします。
株式投資も同じなんじゃないかなと思います。もちろん、合理性を無視した投資は勝率が低くなるので、間違っても大部分の財産を使って非合理な投資にフルベットすることは避けるべきですが、「減っても大丈夫」くらいのお金でどこかの会社の株を買ってみるのは全然アリだと思います。それだけで金持ちになれる可能性は低いですが、色んな発見や楽しみがあるはずです。

合理的な投資方法を説く書籍、メディア記事、YouTube等が氾濫する今の世の中だからこそ、こういう合理性だけを追求しない株式投資を楽しむ人が増えるといいなと思います。そうやって株式を「金融商品」としてではなく、「社会の一部」と捉える人が少しずつ増えていくと、資本市場も今よりもっと良くなっていくかもしれません。そんな世界観を少しずつ創っていけるように私も色々な取組みをやっていきたいなと思います。


ということで、本日も最後までお読みいただきありがとうございました!!


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