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金融教育について思うこと

株式会社Mutual 公式note

今年の4月から高校の家庭科の授業で金融教育が行われるようになりましたが、実際にどのような教育が行われるのか気になったので少し調べてみたところ、金融庁が「高校生のための金融リテラシー講座」というものを掲載していました。内容をざっと見てみたところ、投資教育というよりかは、基礎的なマネーリテラシーをつけてもらうことに主眼が置かれているようです。

この金融教育を強化する動き、個人的には賛成です。個々人が最低限のお金に関する知識を身につけることで人生設計を狂いにくくしたり、十分な金リテラシーがない人に漬け込んで暴利を貪る投資詐欺師を少しでも減らそうとすることは大いに意義があることだと思います。

ただ、金融教育を通じて今よりも多くの人がマネーリテラシーを身につけることが経済社会の発展につながっていくだろうか?と考えると、必ずしもそうではないんだろうなと思います。

少し極端ではありますが、こんな例を考えてみましょう。
国民全員が十分な金融リテラシーを身につけて、明日から市場取引関係者以外の人が仕事を辞めて株式投資だけに専念することになったとします。この場合、人々の生活はこれまで以上に豊かになっていくでしょうか?
価格の歪みを発見して空売りも駆使しながら短期売買を行うことで利鞘を得ることで、短期的に儲けを出す人は出てくると思います。しかし、これは完全にゼロサムゲームで、誰かが損しています。パイの奪い合いになっているだけだということです。

そんななか、皆仕事を辞めて株式投資に夢中になっていているため、経済活動は大幅に減退します。経済活動が減退すると、全ての企業の業績は傾き、やがて倒産します。
企業が倒産してしまうと、株式投資家の多くは大幅な損失を出し、また、新たな投資対象も失ってしまいます。つまり、皆が労働をせず株式投資だけを行うようになった場合、パイの中で富の移転は行われるであろうものの、そのパイ自体が最終的に無となってしまうというわけです。

例えが少し極端すぎたかもしれませんが、ここで言いたいのは、「労働」こそが経済社会が発展するために不可欠な要素であるということです。高い生産性を通じて高い付加価値を出す労働が存在するからこそ、企業が成長し、ひいては社会が発展する、つまりパイが大きくなっていくわけです。

こちらの動画で、レオス・キャピタルワークスの藤野さんが、非常に核心をついた意見を述べられています。(04:35あたりから)

すごく大事だなーと思った箇所を下記にて引用してみます。

日本で根深い問題だと思っているのが、投資ということの裏に人の営みがあるということに対する理解がないんですよ。
これは当たり前のことなんだけど、投資というのは、誰かが何かに頑張ってるものにお金を出すことなんですよ。それは自分が頑張っているものに投資をするのが自己投資になるわけですし、それで頑張っている会社に投資をすることが株式投資になるし。

(中略)

だから、まず、仕事することって素敵なことだよ、労働することっていいことだよ、そしてそういうことに応援することが金融なんだよ、ということを教えていかないといけない。金融教育を「お金」だけで教えてしまうと、結局マネーゲームになってしまうので、その背景にある仕事とは何か、労働とは何かというところをちゃんと教える必要がある。でもそれを教える機会がないんです。

株式投資に関する教育となると、PERをどうやって使うか、どういうチャートの動きをしたら買いか、なぜインデックスファンドに積み立てた方がいいのか、みたいな、投資者個人のリターンをどのように最大化するかというミクロの話にしか焦点が当てられないことがほとんどです。まさに「お金」の面だけを教えるということですね。

そうすると、パイの奪い合い、つまりマネーゲームになってしまうので、リテラシーを高めて上手く取引ができた一部の個人は資産を増やすことができるかもしれませんが、経済社会全体がそれで発展するとは限らないわけです。
なので、中高生にお金のことを教えるのは冒頭に述べた通り大賛成ですが、それに加えて株式投資は社会にどう役立っているのか、なぜ労働が社会にとって大事なのかということも説いていく必要があるよなぁと思っています。投資に関する既成概念がなく柔軟な思考がしやすい中高生向けには特に。
不労所得を得てFIREすることだけが投資じゃないんだぞと。

ということで、自分としても、「人と経済社会の発展につながる投資教育」みたいなものを、YouTube等のいろいろな媒体を通じて今後試行錯誤しながらやっていきたいと思います。てか、やります。

今日書いたことをまとめると、

  • ちゃんと人生設計をして個々人の資産を守っていくためにも、金融教育はやった方がいい

  • ただ、金融教育を受けた結果稼ぐ人は出てくるかもしれないが、経済全体が発展するためには生産性の高い労働が不可欠となる

  • だから、金融教育に加えて、株式投資が社会にどのように役に立っているのか、なぜ労働が社会にとって重要なのかといったことも教育すべき

といった感じです。
ちなみに、こういう教育をやるだけで経済が発展していくわけではもちろんないと思っていて、投資家のほとんどが自己のリターンの最大化を最優先で考えるという構造自体は大きく変わらないであろう中で、投資家のグリーディーな行動が経済社会の発展につながるような仕組みづくり等も必要になるんじゃないかと思います。
じゃあその仕組みはなんだんだと言われると非常に難しいところで、今の所自分も答えを持っているわけではありません。なので、是非いろんな方と意見交換しながら共に考えていきたいところです。

ということで、今日はふと思ったことをツラツラ書いただけになりましたが、今後もたまにこんな感じでゆる〜く思ったことを書いていきたいと思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました!!


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